同人誌印刷トム出版 第一球なげました  大津皇子NO,2

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さて、大津皇子の話のつづきであるが、

若い時分、この大津皇子にあこがれを抱いたものだった。

大津は兎に角女性にもてた。

頭脳明晰、好男子、活動的、品格抜群、性格円満にして体躯健吾。

このような男児はめったいやしないだろう。

もてる訳だ。

それと、家系も第一級である。

前回も書いたが、父は天武天皇、母は天智天皇の皇女である大田皇女。

叔母(後の義母)はあの「うののささら」皇女、、後の持統天皇である。

その大津皇子万葉集にこんな歌を残している。


石川のいらつめとのやりとりの歌で、


あしひきの  山のしづくに妹待つと 我立ち濡れし 山のしづくに ~


大津は山陰でいらつめ女を待っていた。

しかしいつまで経っても彼女は現れない。


大津は半分ヤケぎみのジョークで、

山のふもとで、雫に濡れながら、ずっと君を待っていたのだよ、

何故こなかったの、おかげで雫にボトボトに濡れっちまったよ。



これに対して、いらつめ女の返歌がまたいい。


吾を待つと  君が濡れけむあしひきの 山のしづくにならましものを ~


私を待つといって すっかり雫に濡れてしまった大津さん、

私も、その山の雫になりたいわ。


こんな意味だと思うのだが、ジョークにはちゃんとジョークで

返歌するというのが実に面白い。

万葉歌は青春時代に読むものだ。