同人誌印刷トム出版  高円山

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奈良七重七堂伽藍八重ざくら     芭蕉

東大寺の伽藍と知足院のあたりに咲く八重桜は、古都奈良の
風景を一段と引き立てている。

私は、奈良へ行くと、必ずといっていいくらい
一巡りするコースがある。

近鉄奈良駅から興福寺の公園を抜ける。その突き当たりを右に折れ、
春日大社の細い道を南にぶらぶら歩いて、上高畑町の志賀直哉旧宅へ立ち寄る。

志賀邸付近は静かな住宅街で、すぐそばに高円山の裾が降りてきている。
ここで直哉は昭和12年にあの長編「暗夜航路」を完結させたそうだ。54歳。

しっとりとした数寄屋造りの二階建てで、和洋折衷のたたたずまいである。

そこから土塀の続く住宅街を300メートルほど南にいくと、右側に古い堂宇が
見えてくる。新薬師寺だ。

ここはとても古さびた、ほんとに古寺といった風情がある。
和辻哲郎の、あの「古寺巡礼」にも出てくるが、古都奈良を一口で説明しようとすれば、

薬師寺の名を借りるほか、他に適例はないと思うくらいだ。
本堂の中は薄暗くされていて、中央に薬師如来(国宝)が座している。

で、それを取り巻くようにして、円形に神将の塑像が並んでいるのだが、
そこに、あの有名な仏像、、、、、、うーむ。

私はこれには、つい見入ってしまう、、、時の忘れるほどに。

つづく