同人誌印刷 トム出版 談山神社と定恵

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その談山神社はとうのみね (多武峰) にある。

参道をしばらく登ると飲食店や売店、それに観光ホテルなどがあったりして、

かなりの賑わいがある。

道路を隔てたその向こうに藤原氏の霊域があるのだが、

そうそう、ここは藤原鎌足をお祭りしている神社であった。



鎌足には二人の息子がいた。

一人はあの高名な不比等(太政大臣正一位、藤原朝臣不比等 )である。

長男は定恵 (じょうえ) といって、あまり一般的に知られていないかもしれないが、

弟の不比等も偉人だったけれど、定恵はそれ以上に頭脳明晰な方で、

稀に見る秀才だったといわれている人である。

ただ、父親の鎌足神道、定恵は仏教派だったから、どうしても問題が

起こりそうである。という訳かどうか分からないが、

定恵は遣唐使として早々に唐へ留学してしまうのである。

その定恵が十数年を閲して帰国してみると、父鎌足は既に逝去していた。

悲嘆に暮れた定恵は、弟不比等と相談して、

鎌足の埋葬された大阪高槻の阿武山からここ多武峰に遺骨を移し、

定恵が唐から持帰った十三重塔を、お墓として祭祀したのが

談山神社のはじまりだと言われている。が、、しかし、

何故か、その直後、定恵は父の後を追うようにしてこの世を去った。

この広い霊域の神廟拝殿の前に立ち、敬虔な思いでその事を考えていると、

この謎に満ちた定恵の死が、不審というより、とてもやるせなく、

哀れに感じられてくるのは私だけだろうか、。

つづく



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