同人誌印刷 トム出版 談山神社と定恵
同人誌印刷 トム出版 http://www.tomshuppan.co.jp
参道をしばらく登ると飲食店や売店、それに観光ホテルなどがあったりして、
かなりの賑わいがある。
道路を隔てたその向こうに藤原氏の霊域があるのだが、
そうそう、ここは藤原鎌足をお祭りしている神社であった。
鎌足には二人の息子がいた。
一人はあの高名な不比等(太政大臣、正一位、藤原朝臣不比等 )である。
長男は定恵 (じょうえ) といって、あまり一般的に知られていないかもしれないが、
弟の不比等も偉人だったけれど、定恵はそれ以上に頭脳明晰な方で、
稀に見る秀才だったといわれている人である。
ただ、父親の鎌足は神道、定恵は仏教派だったから、どうしても問題が
起こりそうである。という訳かどうか分からないが、
定恵は遣唐使として早々に唐へ留学してしまうのである。
その定恵が十数年を閲して帰国してみると、父鎌足は既に逝去していた。
悲嘆に暮れた定恵は、弟不比等と相談して、
父鎌足の埋葬された大阪高槻の阿武山からここ多武峰に遺骨を移し、
定恵が唐から持帰った十三重塔を、お墓として祭祀したのが
談山神社のはじまりだと言われている。が、、しかし、
何故か、その直後、定恵は父の後を追うようにしてこの世を去った。
この広い霊域の神廟拝殿の前に立ち、敬虔な思いでその事を考えていると、
この謎に満ちた定恵の死が、不審というより、とてもやるせなく、
哀れに感じられてくるのは私だけだろうか、。
つづく
http://diary.blogmura.com/dekigoto/ その他日記ブログ 日々のできごと