同人誌印刷 トム出版 熊ケ岳

tomshuppan2007-11-16

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さて、先日のつづきであるが、

談山神社から左に折れて、いよいよ山中に入る。

神社を背にしてまっすぐ東に山道を登ると、

真正面にあの熊ケ岳がそびえている筈だが、

松や杉に覆われた杣道(そまみち)では、さすがにそれは無理だった。

雪が登山靴をすっぽり濡らしている。ゴロゴロした石コロの多い
道だ。

15キロのリュックが肩に重くのしかかる。

何度も肩をゆすりながら登っていくと、

しばらくして道が急に平坦になった。どうやら尾根に出たらしい。

第一目標は小峠である。この尾根の右下の先は大宇陀町、

左下眼下は飛鳥村であるのだが、残念なことに眺望は開けない。



 木曽路はすべて山の中である〜

まるで藤村の「夜明け前」の書き出しみたい、と、思いながら、

思わず苦笑した。

すると、うねうねとまがった小径の向こうから登山服の二人が

こちらへやってくる。
夫婦連れのようだった。

目前まで迫ったとき、先方から

こんにちは、、

と声がかかった。

50すぎくらいの年配の方だった。

いやぁ、こんにちは、小峠からこられました?

はい、もうちょっとですよ、

とても明るい感じのご婦人だった。

ご主人の方もにこにこしながら、

「坂鳥の朝越えまして」

ね、、、、、。



私はその言葉に、おもわず膝を打ちそうになった。

岩ケ根、禁樹押しなべて登ってこられましたか?

と切り返すと、

上品そうなご主人は、


禁樹(さえぎ)はありませんでしたが、さすがに坂道と岩ケ根には
疲れましたよ。

と言いながらも、とても良い表情をしていた。

よし。先を急ごう。

私は背のリュックをゆすった。
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