同人誌印刷トム出版 第一球投げました  大津皇子 NO,4

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磐余のカモメ



ももづたふ磐余の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ ~



先日、大津皇子の磐余の地の

とろまで書いた。そもそも磐余の地というのは大津が育った自宅のあった付近で、

当時、その辺りにはカモメや鴨が多く飛来していたらしい。

実際、飛鳥一帯が見晴るかされる甘樫丘(あまかしのおか)へ登ると

耳成山の方に向かって前方、左下の方に白いカモメのような鳥が数羽飛遊しているのを、

私も何度も目撃したことがある。

丁度その辺りが大津の屋敷があった磐余の地なのである。



磐余の地といえば

これも随分古い話になるが、例の故犬養先生からお聞きた話の中で、

先生が昭和天皇を飛鳥へご案内した際、この甘樫丘に二人で登られ

眼下に眺める磐余の地に翔ぶカモメについて、色々ご説明をなされたそうである。

で、先生はついその話に夢中になって、

カモメが多くなりすぎて田野を荒らすため、

困ったお百姓さんが鉄砲か何かで

「追っ払っちゃったんですよ。」

、、、と、昭和天皇に、話の勢いとはいえ粗略で失礼な言葉で申し上げてしまった。

と、大いに反省しておられたのを、ついぞ先日の事のように

思い出されるのである。