同人誌印刷 トム出版    よだかの星

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ちかごろよく眼にする「いじめ」の記事。

これにはさすがに、私も暗い気持ちになってしまう。

なぜ強い者が弱い者いじめするのだろうか。

まことに憤懣やるかたない思いである。


では昔はどうだったか、、というと、

やはりあった。あったがいまほど執拗で且つ、

人格まで無視したようなひどいものはあまり知らない。

強い子供はガキ大将となって弱い者の上に立ち、

反面輩下の者を庇護していたのである。

「誰々チャンがやられている」

と、聞くと、


よっしゃ。


と言って直ちに現場に向かい、あっというまに救助してくれたりしたものだ。

まことに頼り甲斐のあるガキ大将のお兄ちゃんだったのである。


当時娯楽、楽しみといえば本を読んで想像を巡らす以外、

あまり選択肢が無かったこという事もあって、昔の子供はたくさん本を読んだ。

本を読んでは心躍らせ、
本を読んでは涙し、

本は子供の情操の栄養分だったのである。




私が子供のころ、心の中でむせんだ本の思い出がある。

宮沢賢治の「よだかの星

この題名を思い起こすだけでも、今にもつらくなってくる。


「よだか」 は鷹に似ているが、鷹ではなく醜い鳥の一種なのである。


鷹の皆んなから、

「よだか」という名前が、自分たち正当な鷹がよだかと一緒にされて迷惑だ。

と言っていじめ尽くされるのだ。、


毎日毎日いじめられるよだかは、しまいには死のうと思い、死ぬことばかり考える。

そして、

もし、死ねたら、星になりたい。星になりたい、、

とひそかに悲しむのだが、

それからしばらくして「よだか」は、ついに、、、



「お星さん。南の青いお星さん。どうか私をあなたの所へつれてって下さい。

やけて死んでもかまいません。」

夜だかは、どこまでも、どこまでも、まっすぐに空へのぼって行きました。


そして自分のからだがいま燐(りん)の火のような青い美しい光になって、

しずかに燃えているのを見ました。

すぐとなりは、カシオピア座でした。天の川の青じろいひかりが、

すぐうしろになっていました。


そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。

今でもまだ燃えています。



宮沢賢治 作 
村道雄 絵

よだかの星  偕成社刊 より


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