同人誌印刷 トム出版   長柄の教訓

tomshuppan2008-01-18

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長柄の教訓



先日、与謝蕪村の話を書いた。もちろんその話とは全く関係ないのだが、


あの、淀川の堤防の石碑 ( 春風や堤長うして家遠し )

のところから1kmほど川を下ったところに、阪急電車の鉄橋が見える。


その阪急電車の鉄橋の向こう側に、それと併行するように、

長柄橋という橋が架かっているのが眺望されるが、



ご存知の方もあるかもしれないが、あの長柄橋には古来、

諺にまでなった悲しい伝説の話があった。



この川は、ずっと昔、平安時代の頃は治水が難かしく、

雨季になるとたびたび氾濫し、その度に長柄橋が流されてしまうのだ。


そこで、官吏の役人が、何か良い策はないかと、

村人を集めて相談することになったのだが、


その時、村の長者である巌氏という者が、

橋の工事の際、橋脚に人柱を立てたらよい、、。


と、意見を言ったのが基で



さてさて、まことに隗より始めよ、、の譬えではあるまいが、

自分がその人柱にされてしまったのである。


長者の一人娘、てるひのまえ(光照前)はこれを嘆き悲しんで、



 --物言いわじ 父は長柄の橋柱 鳴なかずば雉子も  射られざらまし--


と歌を詠んだのである。


これを他山の石として、大阪人は今でも、


 --- 人さんの前でいらん事いわんでもええ、黙っとけ。---



と、日常の教訓として子供たちを戒めているのである。


その蕪村の石碑のところから、長柄橋の全景が指呼の間に見えている。
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