同人誌印刷トム出版 フルカラー表紙は武蔵の心境
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フルカラー表紙は武蔵の心境
「神仏を尊び、神仏を頼まず」
宮本武蔵は神を尊んだが、神頼みなどはせず、常に自ら道を切り開いていった。
けれども彼は決して無神論者などではなく常に神を畏敬し、神を尊崇する人であった。
「 神は自ら助くる者を助く 」
( 幕臣、中村正直がサミエル・スマイルの「 自助論 」から語訳 )
そういう形の信念を持った人だったといってもいい。
その武蔵が一生涯中、決死の覚悟で臨んだ試合がある。
否、決闘である。
吉岡一門との、あの一乗寺下がり松。
それは、巌流島の小次郎のごとき話の比ではなかっただろうと思われる。
それは剣者揃いの名門中の名門、吉岡家が相手なのだから、、。
武蔵は死を覚悟した。
斎戒沐浴につとめ身辺をキレイにしていざ当日の早朝、
葉山の山腹から一乗寺下がり松の決闘場を俯瞰する。
頭上で何度もシュミレーションを繰返し、それを体に焼き付ける。
ゆるゆると山を降り、途中八大神社に立ち寄り、己の武運を祈る。
「神仏を尊び、神仏を頼まず」、の武蔵が、である。
ここがすごいところだ。
武蔵は心で泣きながら神に祈るのである。
もし、不覚をとれば、ボロ布(きれ)のようにめった切りにされ、
氷の張った水田に投げ捨てられるのは必定だ。
結果を考えると、とても恐ろしい。
神に手を合わせ、無心に祈る。
南無大権現! 白い鉢巻きりりと縛り、
そこから小走りに駆けて駆け抜けて、
敵陣の輪の中へ、まっしぐらに突っ込んでいく。
私は、同人誌作家の心を印刷に表現しようとしている。
仕上がり具合に細心の注意を払い、
微妙な色合いの変化も看過せず、常に形而下での闘いをしようとしている。
完璧なものに、、、と。
その、同人誌のフルカラー表紙の刷り上がりの瞬間、胸を押さえ、膝を屈し、
私は神に祈らずにはいられないのである。
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