同人誌印刷 トム出版 瀬戸の海の思い出
同人誌印刷トム出版 http://www.tomshuppan.co.jp/
キャンピングカー・レオバンクスを駆って、
この夏、瀬戸に浮かぶ小さな島に一泊で遊びに行った。鷲羽山と坂出の間、
備後瀬戸の水道に位置する「与島」というほんとに小さい島である。
昔は、この島も塩飽諸島の自然の一点景だったのだが、
今では、上を瀬戸大橋が跨ぐように架かり、岡山と坂出を結ぶ鉄道や、自動車道などが走って、
近代的な風景に生まれ変わっている。
その与島に立って西方を眺めると、渚の先に、
ほんとに目睫の間に「本島」というかなり大きい島が
視界に飛び込んでくる。
周囲16km、人口約760人だそうだ。
実はこの島には懐かしい思い出がある。
子供のころ、夏休みを利用して海水浴に赴いた際、
何日か島の民宿にお世話になったことがある。
その時、一番驚いたのは、海水浴ならぬ潮干狩りに出かけた時のことだった。
若い漁師さんが、大勢の
(といっても10人くらいだが)
僕たちと同じ年くらいの子供たちを焼玉エンジンの船に乗せて、
塩飽諸島の水路をどんどん走った。
美しい海。汐のしぶきが舳先に砕け、海面がキラキラ光る。
目にするもの、手に触れるもの、どれもこれも初めての体験に、
とても心が弾んだのを覚えている。
それで、相当な距離を走ったのだが、一体どこをどう行ったのかさっぱり分からない。
すると、若いお兄さんは海のド真ん中で突然船のエンジンを止め、
乗っている僕たちに向かって、、
「さぁ降りろ」
という。
えっ、!
こんなところで ?
僕たち、このまま海へ飛び込めっていうの ?
皆んな不安そうに顔を見合わせた。
つづく
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この夏、瀬戸に浮かぶ小さな島に一泊で遊びに行った。鷲羽山と坂出の間、
備後瀬戸の水道に位置する「与島」というほんとに小さい島である。
昔は、この島も塩飽諸島の自然の一点景だったのだが、
今では、上を瀬戸大橋が跨ぐように架かり、岡山と坂出を結ぶ鉄道や、自動車道などが走って、
近代的な風景に生まれ変わっている。
その与島に立って西方を眺めると、渚の先に、
ほんとに目睫の間に「本島」というかなり大きい島が
視界に飛び込んでくる。
周囲16km、人口約760人だそうだ。
実はこの島には懐かしい思い出がある。
子供のころ、夏休みを利用して海水浴に赴いた際、
何日か島の民宿にお世話になったことがある。
その時、一番驚いたのは、海水浴ならぬ潮干狩りに出かけた時のことだった。
若い漁師さんが、大勢の
(といっても10人くらいだが)
僕たちと同じ年くらいの子供たちを焼玉エンジンの船に乗せて、
塩飽諸島の水路をどんどん走った。
美しい海。汐のしぶきが舳先に砕け、海面がキラキラ光る。
目にするもの、手に触れるもの、どれもこれも初めての体験に、
とても心が弾んだのを覚えている。
それで、相当な距離を走ったのだが、一体どこをどう行ったのかさっぱり分からない。
すると、若いお兄さんは海のド真ん中で突然船のエンジンを止め、
乗っている僕たちに向かって、、
「さぁ降りろ」
という。
えっ、!
こんなところで ?
僕たち、このまま海へ飛び込めっていうの ?
皆んな不安そうに顔を見合わせた。
つづく
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